簿記における売上原価の計算
商品はあんまりたくさん仕入れない方が,利益は大きくなるモン?
なぜそう思うんじゃ?
仕入(費用)が大きくなって利益でなくなっちゃうモン!
実は,たくさん仕入れても,期末に残っている分は当期の費用にならないんじゃ。
そうなんだモン!?
今回は,そんな売上原価の計算について学ぶぞい。
売上原価とは
売上原価=当期に販売した商品の仕入原価
当期の経営成績を正しく計算するには,売上に貢献した仕入原価だけを費用にする必要がある。
この当期に販売した商品の仕入原価のことを売上原価という。
例えば,次の条件で考えてみる。
- 当期売上高=800円
- 売上げた商品の仕入原価=400円
この場合,400円が売上原価となる。
商品棚卸高がない場合
- 期首商品棚卸高=期首にまだ売っていない商品の在庫
- 当期商品仕入高=当期に仕入れた商品の在庫
- 期末商品棚卸高=期末にまだ売っていない商品の在庫
期首商品棚卸高や期末商品棚卸高がなかった場合,売上原価は次のようになる。
売上原価=当期商品仕入高
例えば,次のケースを考える。
- 期首商品棚卸高は無かった。
- 当期に商品700円分仕入れた。
- 仕入れた商品700円分を全て当期に販売した。
- その結果,期末商品棚卸高は無かった。
この場合の売上原価は,700円となる。
期首商品棚卸高は「きしゅしょうひんたなおろしだか」,期末商品棚卸高は「きまつしょうひんたなおろしだか」と読むんじゃ。
期首商品棚卸高がある場合
期首商品棚卸高があり,期末商品棚卸高がない場合,売上原価は次のようになる。
売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高
例えば,次のケースを考える。
- 期首商品棚卸高が200円あった。
- 当期に商品700円仕入れた。
- 商品900円分を全て当期に販売した。
- その結果,期末商品棚卸高はなかった。
この場合の売上原価は,
200円+700円=900円
となる。
期首商品は仕入高に足して計算するんじゃ。
期末商品棚卸高がある場合
期首商品棚卸高がなく,期末商品棚卸高がある場合,売上原価は次のようになる。
売上原価=当期商品仕入高-期末商品棚卸高
例えば,次のケースを考える。
- 期首商品棚卸高はなかった。
- 当期に商品700円仕入れた。
- 商品400円分を当期に販売した。
- その結果,期末商品棚卸高は300円だった。
この場合の売上原価は,
700円-300円=400円
となる。
期末商品は仕入高から差引いて計算するんじゃ。
売上原価の計算式
売上原価の計算をまとめると,次のようになる。
売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高
例えば,次のケースを考える。
- 期首商品棚卸高が200円あった。
- 当期に商品700円仕入れた。
- 商品600円分を当期に販売した。
- その結果,期末商品棚卸高は300円だった。
この場合の売上原価は,
200円+700円-300円=600円
となる。
売上原価は,仕入高に期首商品を足して,期末商品を引くことで計算するんじゃ。
売上原価の仕訳
繰越商品=期首や期末にある商品在庫を示す勘定科目
売上原価の計算は仕入勘定を調整することで計算する。
例えば,
- 期首商品棚卸高200円
- 当期に商品700円を現金で仕入れた。
- 商品600円分を当期に現金900円で販売した。
- その結果,期末商品棚卸高は300円だった。
この場合,期中に商品を現金で仕入れたときは次の仕訳を切る。
仕入 700 / 現金 700
また,期末に売上原価を計算するときは次の仕訳を切る。
仕入 200 / 繰越商品 200
繰越商品 300 / 仕入 300
期首商品は全て売れたことに,期末商品は全て売れてないことにする仕訳を切るんじゃ。
おしまい
期末に仕入勘定を調整して,売上原価を計算するってことだモンね!
期末に残っている商品は,仕入勘定から差し引かれるから,当期の費用にならないぞい。
なるほどだモン!