お金を貯めるってどういうこと?
この講座は、税理士である管理人が家計簿の付け方について解説する講義です。
この講座の講義一覧については、こちらから確認して下さい。
また、具体的な家計簿アプリの使い方については、マネーフォワードMEの使い方講座を確認して下さい。
この講義を受けている人はきっと、
家計簿を付けてお金を貯めたい!
と思っていることでしょう。
そんなあなたに質問です。
お金を貯めるとは、どんな意味ですか?
みんな、普段当たり前のように「お金を貯める」という言葉を使っています。
でも、意外とみんな「お金を貯めること」の意味を理解していないまま使ってしまっている人も多いと思います。
これを理解しないと、当然、家計簿でお金を貯めることはできません。
なので、お金を貯めることの意味を学ぶことは、家計簿の付け方を学ぶ上ですごく重要なことです。
この講義を受ければ、そんな「お金を貯めること」の意味をきっと理解できるはずです。
それでは早速、学んでいきましょう。
お金を貯めることは、幸せを長続きさせること
お金を貯めて、幸せを長続きさせよう。
お金を貯めることは、幸せを長続きさせること
そう聞いて、皆さんはどう感じますか。
この考え方には、違和感を感じる方も多いと思います。
しかし、この先を読めばきっとこの意味が理解できると思います。
また、この考え方を理解することは、家計簿の付け方を学ぶ上でとても重要なものです。
ぜひ、お金を貯めることの意味について学んでいきましょう。
幸せってなんだろう?
皆さんにとって、幸せとはなんでしょうか。
- お金持ちになること?
- 家族と楽しく過ごすこと?
- 世の中に貢献すること?
これらは、全て立派な幸せだと思います。
一般的な幸せの定義は、人によって全然違うのです。
でも、この講義はお金を貯める家計簿の付け方を学ぶ講義です。
ここで、家計簿とは、「家計のお金を管理するもの」です。
なので、今回は幸せについて、家計簿の付け方を考えるにあたって意味のある定義で考えてみようと思います。
ずばり、この講義において幸せとは、
お金を使って得られる満足感
と定義することとします。
- いやいや、そんなのは幸せじゃない。
- もっとみんなが納得する「幸せ」の定義がある。
ごもっともな指摘です。
ですが、この講義は幸せの本当の意味を考える哲学の講義ではありません。
なので、家計簿の付け方を考える上で最も都合のいい、この定義で捉えてみます。
経済学においては、お金を使って得られる満足感のことを「効用」と表現するんじゃ。
この講義では、経済学でいう「効用」のことを分かりやすく「幸せ」と表現するぞい。
幸せを長続きさせることってどういう意味?
「幸せ」の定義については理解しましたね。
では、「幸せを長続きさせること」とはどのような意味でしょうか。
- 好きな人とずっと一緒に暮らせること
- 自分の好きなことを一生やり続けること
これらも人によっては幸せを長続きさせることなのかもしれません。
しかし、先程もお伝えしたように、この講義は家計簿の付け方を学ぶ講義です。
なので、この講義における「幸せを長続きさせること」とは、
お金を使って得られる満足感を長く持続させること
と定義することとします。
お金が貯まると、なぜ幸せが長続きするの?
お金を貯めることと、幸せを長続きさせることとは、どのような関係があるのでしょうか。
まず、お金を貯めることはどんな意味があるのかを考えてみましょう。
結論からお伝えすると、
お金を貯めること=幸せを今後のためにとっておくこと
ということになります。
なぜこのような意味になるのでしょうか。
例えば、目の前にあなたの大好物のりんごが100円で売っていて、あなたは100円ちょうどしか持っていないとしましょう。
このとき、あなたには2つの選択肢があります。
- 今すぐりんごを100円で買う
- 今はりんごを買わずに、100円分のお金を貯めておく
1.の場合、あなたは買ったりんごを食べることで、たった今幸せを手に入れられます。
しかし、一文無しとなってしまうことで、今後幸せを手に入れることができません。
一方2.の場合には、今すぐはりんごを食べられず、たった今の幸せは手に入れられません。
ただし、手元に100円が残ることで、今後いつでもりんごを買って幸せを手に入れることができるわけです。
このように、お金を貯めて手元にとっておくことで、幸せを今後のためにとっておくことができるのです。
ここまで理解すれば、なぜお金が貯まると幸せが長続きするのかは分かりやすいですね。
その理由は、
将来お金を使っていつでも幸せを手に入れられるから
です。
世の中お金が全てじゃない!だけど…
世の中お金が全てじゃない!
それはとても正しい意見です。
実際、収入が増えるほど幸福度も増える、というわけではないではないことが様々な研究で分かっています。
例えば、次の図表を見てください。
この図は、2019年に内閣府が発表した調査結果を加工したもので、縦軸が年収、横軸が幸福度を表したグラフです。
ご覧のとおり、幸福度は年収2000万円~3000万円までは増加していますが、それ以上の年収になると逆に減少しています。
このことから、必ずしもお金をたくさん稼いでいることで幸せになれるとも限らないということが分かります。
では、次の意見はどうでしょう。
稼いだお金は効率よく使って、幸せを長続きさせるべき。
この意見は、違和感なく受け入れることができる人が多いのではないでしょうか。
世の中はお金より大切なものがたくさんある!
と考えている人であっても、あるお金は効率よく使ってより幸せに生きていきたいという考えは、みんな共通のものなんだと思います。
つまり、
お金を貯めることは、幸せを長続きさせること
という考え方は、
お金があれば幸せなんだ!
ということを言っているのではなく、
お金を貯めて、効率よく使っていこう!
という意味なんです。
幸せを長続きさせることは、お金を大事に使うこと
お金を大事に使って、幸せを長続きさせよう。
皆さんは、ずっと幸せでありたいと願っていると思います。
そんな幸せを願っている皆さんにお聞きします。
お金を日々大事に使って生きていますか?
この問いに自信を持って「はい!」と答えられる人はそれほど多くないのではないかと思います。
実際、次の図表のように、自分は家計管理が得意だと答えた人の割合は22.7%だったそうです。
つまり、国民の7割以上の人が家計管理に自信がないということです。
では、そんなあなたに提案させて頂きます。
幸せを長続きさせるために、お金を大事に使いませんか?
この講義を受ければ、きっと家計管理に自信を持つことができるようになるでしょう。
以下では、お金を大事に使うことと幸せを長続きさせることについて解説します。
お金を大事に使うってどういう意味?
幸せを長続きさせることの意味については、すでに説明しました。
では、お金を大事に使うとは、どのような意味でしょうか。
- とにかく節約してお金を使わないようにすること?
- 安いものばかり買って高いものは買わないこと?
このどちらも、この講義でいうお金を大事に使うこととは全く違うことです。
この講義では、お金を大事に使うことは、
使ったお金に見合う幸せを得られるか考えてお金を使うこと
という意味で使います。
いわゆる「コスパ」を考えることに近い意味合いといえるでしょう。
幸せを長続きさせることと、お金を大事に使うことの関係
ここまで、「幸せを長続きさせること」と「お金を大事に使うこと」の意味について学んできました。
では、これらの間にはどのような関係があるのでしょうか。
実は、「幸せを長続きさせること」と「お金を大事に使うこと」は、同じことを意味しているのです。
一般的には、「節約」という言葉には、
買いたいものを買わずに我慢する
というような意味合いが含まれていると思います。
この講義において、
お金を大事に使うこと=節約
と捉えてしまうと、「幸せを長続きさせること」とは同じ意味にはならないでしょう。
しかし、この講義の「お金を大事に使うこと」の意味は、
使ったお金に見合う幸せを得られるか考えてお金を使うこと
でした。
この意味を考えれば、
幸せを長続きさせること=お金を大事につかうこと
であることも理解できると思います。
つまり、使ったお金に見合う幸せを得られるか、を考えながらお金を使う習慣を身につければ、自然とお金を使って得られる満足感を長く持続させることができると言えるでしょう。
お金を大事に使うことを日常的に意識しよう。
皆さんの中には、幸せを長続きさせるにはどうしたらいいだろうと悩んでいる人もいるかもしれません。
しかし、その答えはとてもシンプルです。
その答えとは、
お金を大事に使うことを日常的に意識すること
です。
なぜなら、ここまでずっとお伝えしてきたように、お金を大事に使うことを意識することで、自然と幸せを長続きさせることにつながるからです。
では次に、具体的に幸せを長続きさせるお金の使い方について学んでいきましょう。
幸せを長続きさせるお金の使い方を身に着けよう。
幸せを長続きさせる2つのポイント
ここまで、幸せを長続きさせるお金の使い方をするために、お金を大事に使うことを日常的に意識することを学んできました。
それでは、具体的にどんなことを考えて行動すればいいのでしょうか。
そのポイントは、次の2つのことを考えて買い物をすることです。
- その幸せは長続きするか。
- その幸せは、今あるもので得られないか。
この2つのポイントを意識することで、幸せを長続きさせることにつながります。
では、この2つのポイントについて、詳しく解説していきます。
その幸せは長続きするか。
幸せを長続きさせるお金の使い方のポイント1.は、
その幸せは長続きするか
を考えて買い物をすることです。
このポイントでは、得られる幸せの長さに注目しています。
なぜこのポイントが重要なのでしょうか。
次の例で説明します。
例えば、あなたは今1万円のお金があり、その使い方について次の2つの選択肢を考えます。
- 豪華フルコースのディナーを食べる。
- 5年間履き続けられるズボンを買う。
一見、全く違うお金の使い方だから、比較できないじゃないかと思うかもしれません。
しかし、お金を大事に使うという観点からすれば、ズボンを買う方が優れていることになります。
なぜなら、ディナーはその場で食べきって幸せをすぐ使い切ってしまうのに対して、ズボンは5年間履いてゆっくり幸せを得ることができるからです。
つまり、長持ちするものにお金を使うことで、すぐに幸せを使い切ってしまうことを防ぐことができるのです。
その幸せは、今あるもので得られないか。
幸せを長続きさせるポイント2.は、
その幸せは、今あるもので得られないか
を考えて買い物をすることです。
このポイントでは、そもそもそれを買う必要があるのかということに注目します。
なぜこのポイントが重要なのでしょうか。
こちらも例を使って考えてみましょう。
例えば、ズボンを買いたいと思ったときは、次のことを考えるようにしましょう。
- 今あるズボンで十分じゃないか。
- これを買っても、履く機会がないんじゃないか。
- これを買うことで古いズボンを履かなくなるのはもったいないんじゃないか。
なぜなら、せっかく1.を考えて長持ちするズボンを買っても、全然履かなかったり、途中で捨てて買い直したりしてしまっては、お金を大事に使ったことにはならないからです。
経済学では、払ったお金に値する効果を得られるかを考えることを「投下資本の回収可能性を考える」と表現するぞい。
日々お金を使う場面でも、この投下資本の回収可能性を考えることはすごく大事なことなんじゃ。
買い物は、得られる幸せの長さと必要性で決める。
今までの話をまとめると、幸せを長続きさせる買い物とは、
その幸せは長続きするし、今あるものでは得られない
ものであるといえます。
ただし注意が必要なのは、これ以外の買い物が全くムダだと言いたいわけではないということです。
僕だって、
- たまには豪華ディナーでも食べようか!
- 古いズボンは使えるけど、新しいものを買いたい!
と考えることだってあります。
重要なのは、
これらの買い物は幸せを長続きさせる買い物ではない
ということをしっかりと理解し、できるだけしないようにするということです。
そして、家計簿においては、できるだけこれらに予算を振らないで優先順位を下げて考えることが大事です。
つまり、お金は限りがあるものなので、できるだけ幸せを長続きさせる買い物をしようと、日々考えて行動するべきだということです。
まとめ
今回の講義では、家計簿の付け方を学ぶ上で重要な「お金を貯めること」の意味を学びました。
「お金を貯めること」とはつまり、「幸せを長続きさせること」であると同時に、「お金を大事に使うこと」でもありました。
そして、幸せを長続きさせるお金の使い方には、
- その幸せは長続きするか。
- その幸せは、今あるもので得られないか。
という2つのポイントを考えて買い物をすることだということを学びました。
つまり、買い物は、得られる幸せの長さと必要性を考えて決定することで、幸せを長続きさせることができるわけです。
ぜひ、この考え方を今日から実践してみましょう。