今の家計の状況を知ろう。
この講座は、税理士である管理人が家計簿の付け方について解説する講義です。
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皆さんは、自分の今の家計の状況をしっかり把握していますか?
現状把握をやりたいけど、やり方が分からない
という方が多いのではないでしょうか。
今回の講義では、そんな家計管理における現状把握について学んでいきましょう。
家計管理は現状把握から始まる。
まずは現状を把握しよう。
以前の講義では、家計管理の4ステップとして、
- 現状把握
- 貯蓄計画
- 結果の振り返り
- 計画の見直し
があることを学びました。
今回の講義では、家計管理の4ステップのうちステップ1である、
現状把握
について詳しく解説していきます。
家計管理の現状把握とは?
家計管理の4ステップのうち、現状把握とはどのようなことでしょうか。
現状把握とは、文字通り
家計の現在の状況を把握すること
です。
具体的には、
- 収入はいくらあるのか。
- 支出はいくらかかっているのか。
- 貯蓄はどれくらいできているのか。
- 資産や負債はいくらあるのか。
ということを把握していきます。
現状把握の方法とは?
現状把握の3ステップ
家計管理において現状を把握するためのポイントは、次の3ステップによって行うことです。
その3ステップとは、
- 収支の全体を把握すること
- 収支の詳細を把握すること
- 資産や負債を把握すること
です。
つまり、現状把握を行うためには、まず収支の全体を把握して、その後細かい収支を見ていくというステップを踏みます。
そして最後に、自分の資産や負債が今いくらあるのかということを把握するのです。
以下では、この3ステップについて詳しく学んでいきましょう。
収支の全体を把握しよう。
家計の現状を把握するために最初に行うべきことは、
収支の全体を把握すること
です。
これらを知ることで、
- いくらの収入があって、
- 支出はいくらあって、
- その差額でいくら貯蓄できているのか
という、今現在の状況がざっくり分かるようになります。
この感覚を最初に把握することが、その後の家計管理においてすごく重要になります。
ある方は、家計管理について話していたときに、
「子供の教育費が多くて、ぜんぜん貯蓄ができてない」
と言っていました。
しかし、よくよく家計を調べてみると、実は毎月3万円は貯蓄できていて、貯蓄の目標としては十分だということが分かりました。
このように、
なんとなく貯蓄できていない気がする
と決めつけてしまうのではなく、しっかり全体を把握して判断することが大切です。
収支の詳細を把握しよう。
収支の全体を把握することができたら、次に行うことは、
収支の詳細を把握すること
です。
これらを知ることで、
- 収入の内訳はこれとこれで、
- 支出の内訳はこんな感じ
という、家計の現状の中身が分かるようになります。
家計の全体を把握しただけの段階では、
なんとなく支出が多い気がするな
というざっくりとした感覚しか把握できません。
そこで、詳細を把握することで、
この支出が多いな
と、具体的に家計の状況がイメージできるようになります。
先程お伝えした、
「子供の教育費が多くて、ぜんぜん貯蓄ができてない」
と言っていた方は、実は教育費は他の似たユーザーと同じぐらいで、特別多いというわけではありませんでした。
その方の家計の悪化の原因は、教育費ではなく、通信費の支出が多すぎることだったのです。
このように、収支の詳細を把握することで、
なんとなくこうだ
と決めつけてしまっているものを、
実はこうだった
という客観的な事実によって判断できるようになります。
資産や負債を把握しよう。
収支の詳細を把握できたら、最後に行うことは、
資産や負債を把握すること
です。
資産とは、お金や株式など、お金に換算できる価値があるものをいいます。
負債とは、借金など将来お金を払わなくてはいけないものをいいます。
これらを把握することで、
- 今資産がこれくらいあって、
- 負債がこれくらいあるから、
- その差額の純粋な資産がこれくらいあるな
という家計の中身が分かるようになります。
家計の収支を把握しただけでは、
結局、いくら貯蓄していけばいいの?
ということが明確になりません。
そこで、最後に資産や負債を把握することで、貯蓄の計画を具体的に立てられるようになります。
全体から詳細を見る王道の方法
ここでは、家計管理の3ステップとして、
- 収支の全体を把握すること
- 収支の詳細を把握すること
- 資産や負債を把握すること
を学びました。
勘の良い方は気づかれているのかもしれませんが、このように全体を見て細かい部分を検討していく方法は、以前にも学びました。
それは、
お金が貯まる方程式
です。
お金が貯まる方程式は、
- 貯蓄額を決める。
- 収入から貯蓄額を差し引き全体の支出額を計算する。
- 全体の支出額を細かな支出に割り振っていく。
という方法でお金を貯めていくという考え方でした。
忘れてしまっている方は、ぜひ復習しておいて下さい。
今回学んだ現状把握の2ステップと、お金が貯まる方程式に共通する、
全体から詳細を見る
という考え方は、いわば
家計管理の王道の方法
で、とても大事な視点です。
ぜひ、しっかり身につけましょう。
なぜ現状把握が必要なの?
現状把握の2つのメリット
家計管理を行う上で、なぜ現状把握が必要なのでしょうか。
現状把握が必要な理由は、次の2つが挙げられます。
- 貯蓄計画の参考にできる。
- 家計改善の参考にできる。
以下では、それぞれについて詳しく解説していきます。
貯蓄計画の参考にできる。
現状把握が必要な理由の1つ目は、
貯蓄計画の参考にできる
ことです。
家計管理の4ステップでは、現状把握が終わったら、次は貯蓄計画でした。
この貯蓄計画を立てるときに、現状把握がとても重要になってくるのです。
当たり前ですが、家計の今の状況も分かっていないのに、正確な未来の計画を立てることはできません。
これは、今ある食材が何かも分かっていないのに、夕食の献立を考えるようなもので、とても無謀です。
このことから、貯蓄計画を立てるときには、現状把握がとても大事になってきます。
家計改善の参考にできる。
現状把握が必要な理由の2つ目は、
家計改善の参考にできる
ことです。
以前学んだお金の方程式は、貯蓄額を先に決めて、収入額から貯蓄額を差し引いた金額を支出額とする考え方でした。
そのため、家計改善でコントロールするのは、基本的に支出額になります。
また、支出に優先順位をつけて、優先順位の低い支出から削っていくんでしたね。
このとき、細かな支出までしっかり現状把握ができていないと、支出に優先順位がつけられません。
なので、家計管理の参考とするために現状把握はとても重要です。
現状把握で初めて気づくこと
ここでは、家計管理を行う上で現状把握が必要な理由として、
- 貯蓄計画の参考にできる。
- 家計改善の参考にできる。
の2つの理由を解説しました。
自分の家計の現状については、自分が思っている以上に把握できていない方が多いです。
自分の家計を正しく把握できていないことから、なんとなく間違った方法で家計を改善しようとしてしまい、上手くいかないのです。
家計管理が上手くいっていない方が、正しい方法で現状把握を行ったときに、
ここにこんなにお金がかかってたんだ!
と気づいて頂けることも多いです。
まとめ
今回の講義では、家計管理の4ステップのうち、ステップ1である現状把握について学びました。
現状把握とは、
家計の現在の状況を把握すること
です。
また、現状把握は、
- 収支の全体を把握すること
- 収支の詳細を把握すること
- 資産や負債を把握すること
という3ステップによって行います。
現状把握には、
- 貯蓄計画の参考にできる。
- 家計改善の参考にできる。
というメリットがあります。
ぜひ、皆さんもこれを参考にして家計の現状把握を行って下さい。