生命の活動の仕組みとは?体温・睡眠・死などについて解説!
ヒトの身体には,意識しなくても自動的に体調を保つ仕組みがあるのをしっておるかの?
そうなんだピョン!?
今回は生命の活動について学んでいくぞい。
体内環境の維持
体内環境の維持の仕組み
- 受容器=身体の外や中の情報を受取り伝えるもの
- 中枢神経=神経の働きの中心的な機能をするもの
- 自律神経=内蔵の働きなどをコントロールする機能
- ホルモン=血液を介して臓器の働きを刺激する促す物質
- ホメオスタシス(恒常性)=体内環境を一定に保つ機能
体内の受容器は身体の変化を感知し,脳の中枢神経に伝える。
これにより,自律神経やホルモンを介して各器官が連携してホメオスタシスが働く。
ホメオスタシスの例
ホメオスタシスには,例えば下の図のようなものがある。
体温調整
体温の設定
- セットポイント(設定温度)=体温の目標値
体温は通常,36.0℃~37.0℃(腋窩温)に保たれる。
しかし,セットポイントが現在の体温より高く又は低く設定された場合には,セットポイントに到達するまで体温を調整する。
風邪を引いたら,病原体の活動を抑えるためにセットポイントを高くするんじゃ。
体温の調整方法
- 精神性発汗=冷や汗
体温の調整方法は下の図のように行われる。
なお,精神性発汗には体温調整の効果はない。
体液
体液の量と種類
- 体液=身体の中の水分
- 細胞内液=細胞内にある水分
- 細胞外液=細胞外にある水分
成人の場合,体重の60%を体液が占める。
その体液のうち,2/3(体重の40%)は細胞内液で,残り1/3(体重の20%)は細胞外液である。
体液の組成
体液の組成は,細胞内液と細胞外液で下の図のように異なる。
つまり,細胞内液ではK+濃度がNa+濃度よりも高く,細胞外液ではNa+濃度がK+濃度よりも高い。
浸透圧
浸透圧とは?
- 半透膜=低分子物質は通過できるが,高分子物質は通過できない膜
- 低分子物質=水分,塩分,アミノ酸など分子の小さな物質
- 高分子物質=アルブミンなど,分子の大きな物質
- アルブミン=血液中のタンパク質のうち最も多いもの
- 浸透圧=低分子物質が半透膜を通して移動することで発生する圧力
血管壁や細胞膜は半透膜としての性質を持っており,血管内外や細胞内外には浸透圧が発生している。
アルブミンは血液のタンパク質の約2/3を占め,浸透圧維持を担っている。
血液の等張溶液
- 輸液製剤=血液に入れるための液体
- 生理食塩水=ヒトの血液と同じ濃度の塩化ナトリウム(NaCl)が入った液体
- 等張溶液=同じ浸透圧の液体
- ブドウ糖溶液=糖が入った甘い水
代表的な輸液製剤である生理食塩水は,塩化ナトリウム濃度が0.9%で,血液の等張溶液である。
また,血液と等張溶液であるブドウ糖溶液の濃度は5%である。
酸塩基平衡
血液のpH
- pH=酸性やアルカリ性(塩基性)の度合いを表すもの
- 水素イオン濃度(H+)=身体のpHを決めるもの
血液のpHは正常時には7.4±0.05に保たれている。
なお,pHは水素イオン濃度が高いと1に近づき酸性であり,低いと14に近づきアルカリ性となる。
身体のpH調整
- 重炭酸イオン(HCO3-)=身体にあるアルカリ性の物質の代表
- 二酸化炭素(CO2)=酸素が酸化されてできる物質
- 代償作用=pHを正常に戻そうとする作用
身体のpHは,酸性・アルカリ性の物質のバランスによって決まる。
酸性の物質の代表的なものに二酸化炭素がある。
また,アルカリ性の物質の代表的なものに重炭酸イオンがある。
身体のpHが傾くと,腎臓や肺による代償作用が働く。
pHに影響する病態
- 呼吸性=肺のCO2排出の異常を原因とするもの
- 代謝性=腎機能など,肺以外の機能の異常を原因とするもの
- アシドーシス=血液のpHが下がり酸性に傾くこと
- アルカローシス=血液のpHが上がりアルカリ性に傾くこと
pHに影響する病態は,2つの原因と2つの状態の組み合わせによって分類される。
2つの原因とは呼吸性と代謝性であり,2つの状態とはアシドーシスとアルカローシスである。
代謝とは,身体の中で起こる化学変化やエネルギー変換のことじゃ。
pHに影響する病態の例
アシドーシスは酸性物質が増えるか,アルカリ性物質が減ることで起こる。
逆に,アルカローシスはアルカリ性物質が増えるか,酸性物質が減ることで起こる。
pHに影響する病態の例は,下の図のとおり。
その疾病の仕組みを考えると病態が理解しやすいぞい。
サーカディアンリズム
サーカディアンリズムとは?
- サーカディアンリズム(概日周期:がいじつしゅうき)=体内時計の周期
- 非同期症候群=時差ボケ
サーカディアンリズムは24時間で,この周期に基づきホルモンの分泌や体温などがコントロールされる。
また,サーカディアンリズムは以下の要因によって調整される。
- 外界の光
- 食事
- 運動
このことから,夜勤勤務や時差などで睡眠障害や非同期症候群が発生する。
睡眠
睡眠の種類
- レム睡眠=浅い眠り
- ノンレム睡眠=深い眠り
ヒトの睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠を周期的に繰り返す。
また,通常の成人の睡眠では90分を1周期として,一晩に4~5回繰り返す。
レム睡眠とノンレム睡眠の特徴
レム睡眠とノンレム睡眠には,それぞれ下の図のような特徴がある。
ヒトの死
ヒトの死とは?
- 死の三徴候=心停止・自発呼吸停止・瞳孔散大
- 脳死=脳の全機能が不可逆的に停止した状態
- 不可逆的=変化が元に戻らない状態
- 植物状態=脳幹は生きているが運動機能や知能,及び大脳による精神活動がほぼなくなった状態
ヒトの死とは,死の三徴候の全てが一定時間持続した状態をいい,脳死や植物状態とは異なる。
「指導者さん,深呼吸」
って覚えるピョン!