消化管の解剖とは?食道・胃・小腸・大腸について解説!
食べ物の消化・吸収の流れを食べてから知っておるかの?
胃とか,大腸だピョン?
そうじゃ。今回は消化器の解剖について解説するぞい。
消化器の全体像
消化器の全体像
- 消化器=食べ物の消化や運搬を行う器官
食べ物は,口腔→咽頭→食道→胃→小腸(十二指腸,空腸,回腸),大腸(盲腸,結腸,直腸)を通って肛門から排泄される。
消化器のうち,管になっているものを「消化管」というんじゃ。
ここから先は,消化管について解説するぞい。
消化管の層構造
消化管の層構造は基本的に,粘膜層,粘膜下層,固有筋層,漿膜下層,漿膜の5層からなる。
ここで,粘膜層は,粘膜上皮,粘膜固有層,粘膜筋板の3層からなる。
また,胃を除く消化管の固有筋層は,内輪筋,外縦筋の2層である。
なお,食道や十二指腸,上行・下行結腸,直腸下部では漿膜下層と漿膜がない。
胃は良く伸縮するから,筋層が3層あるんじゃ。
「年々故障しよう」
「朝食に上限なし」
って覚えるピョン!
腹部の解剖
- 腹膜=腹部の臓器を覆う膜
- 腹腔=腹膜に覆われた部分
- 腹腔内臓器=腹腔にある腹部の臓器
- 後腹膜臓器=腹腔にない腹部の臓器
ヒトの腹部には,腹膜に覆われた腹腔がある。
腹部の臓器には,腹腔内臓器と後腹膜臓器がある。
消化管は後腹膜臓器なんじゃ。
食道の解剖
食道の解剖
- 生理的狭窄部位=構造上狭くなっている部分
食道の長さは約25[cm]で,上から頸部,胸部,腹部に分けられる。
食道には,食道入口部,気管分岐部・大動脈交叉部,食道裂孔部の3つの生理的狭窄部位が存在する。
食道壁は粘膜層,粘膜下層,固有筋層,外膜の4層からなり,漿膜下層と漿膜を持たない。
ここで,粘膜層は重層扁平上皮からなる粘膜上皮,粘膜固有層,粘膜筋板の3層からなる。
また,固有筋層は内輪筋と外縦筋の2層からなる。
食道は漿膜がなくて薄いから,食道がんは転移しやすいんじゃ。
胃の解剖
胃の解剖
胃は入り口である噴門,胃底部,胃体部,そして出口である幽門部からなる。
ここで,幽門部は幽門管と幽門洞からなる。
胃は粘膜層,粘膜下層,固有筋層,漿膜下層,漿膜の5層からなる。
また,粘膜層は重層扁平上皮からなる粘膜上皮,粘膜固有層,粘膜筋板の3層からなる。
なお,固有筋層は外縦筋,中輪筋,内斜筋の3層からなる。
小腸の解剖
十二指腸の解剖
小腸は,十二指腸,空腸,回腸の3つの部位からなる約6[m]の器官である。
小腸は,消化・吸収の約90%を担っている。
十二指腸は,下行部,水平部,上行部からなる約25[cm]の器官である。
下行部には小十二指腸乳頭と大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)があり,それぞれ副膵管と主膵管につながる。
また,上行部にはトライツ靭帯がある。
空腸と回腸の明確な境界はなく,胃側約2/5が空腸,肛門側約3/5が回腸である。
小腸の層構造
小腸は,粘膜層,粘膜下層,固有筋層,漿膜下層,漿膜の5層からなる。
ただし,十二指腸には漿膜がない。
ここで,粘膜層は重層扁平上皮からなる粘膜上皮,粘膜固有層,粘膜筋板の3層からなる。
また,固有筋層は内輪筋,外縦筋の2層である。
小腸の粘膜上皮には,高さ約1[mm]の腸絨毛が多数存在する。
また,腸絨毛の表面には高さ約1[μm(マイクロメートル)]の微絨毛が刷子縁(さっしえん)を形成している。
刷子縁は表面積を増やして栄養吸収を助ける。
刷子縁は,ホコリをからめとるモップみたいな構造じゃ。
大腸の解剖
大腸の解剖
大腸は長さ約1.6[m]で,盲腸,結腸,直腸からなる。
回腸から盲腸へつながる部分を回盲部という。
結腸は,上行結腸,横行結腸,下行結腸,S状結腸へと続き,直腸から肛門へとつながる。
大腸の層構造は,粘膜層,粘膜下層,固有筋層,漿膜下層,漿膜の5層である。
ただし,上行結腸,下行結腸,直腸下部には漿膜はない。
ここで,粘膜層は重層扁平上皮からなる粘膜上皮,粘膜固有層,粘膜筋板の3層からなる。
また,固有筋層は内輪筋,外縦筋の2層である。