身体の組織とは?上皮組織・支持組織・筋組織・神経組織について解説![看護師国家試験対策講座>人体の構造と機能>解剖生理学の基本]

看護師国家試験

身体の組織とは?上皮組織・支持組織・筋組織・神経組織について解説!

さるじー博士
さるじー博士

身体の組織がどんなものがあるか知っておるかの?

ラビ美
ラビ美

組織って筋肉とかのことだピョン?

確か前の講義で習ったピョン!

さるじー博士
さるじー博士

そのとおりじゃ。

身体の組織は大きく分けて4種類あるぞい。

ラビ美
ラビ美

そんなにあるピョン!

さるじー博士
さるじー博士

今回は身体の組織について学んでいくぞい。

身体の組織の種類

身体の組織の種類

  • 組織=細胞の集まりで器官をつくるもの
  • 上皮組織=身体を覆う細胞の層
  • 支持組織=組織や器官を支えるもの
  • 筋組織=身体を支えて動かすもの
  • 神経組織=情報を伝えるもの
  • 器官=脳や腕など,生理的な機能を持った組織の集まり

身体の組織には,上皮組織支持組織筋組織神経組織の4種類がある。

以前学習したように,これらの組織が組み合わさって脳や腕などの器官を構成する。

身体の組織の種類
さるじー博士
さるじー博士

支持組織は,「広義の結合組織」とも呼ばれるぞい。

ラビ美
ラビ美

「身体の組織は女子禁止」

って覚えるピョン!

上皮組織の解剖生理

上皮組織の構造と機能

  • 管腔=胃など,管状の器官の内側
  • 体壁=内蔵を支える身体の壁

上皮とは,皮膚などの身体の表面や管腔体壁を覆う細胞の層のことをいう。

上皮は,身体の内側と外側との境界を作っている。

上皮組織の構造と機能
さるじー博士
さるじー博士

口の中や胃の内側も身体の外と触れるから上皮組織なんじゃ。

ラビ美
ラビ美

「上司が果敢に体当たり」

って覚えるピョン!

上皮組織の分類

  • 単層=細胞が一層の層
  • 重層=細胞が二層以上の層
  • 多列=細胞が縦に並んだ層
  • 移行=細胞が伸縮する層
  • 扁平=魚のうろこのような平たい形
  • 立方=サイコロのような立方体の形
  • 円柱=丸い筒状の形

上皮組織は,層の構造と細胞の形の組み合わせで分類される。

上皮組織の分類

上皮組織の種類

  • 微絨毛=細胞の表面にある小さな突起
  • 線毛=細胞の表面にある毛のような突起
  • 杯細胞=粘液を分泌するもの

上皮組織は,場所によって下図のような種類がある。

上皮組織の種類
さるじー博士
さるじー博士

器官の機能に合った上皮組織をそれぞれ持ってるんじゃ。

支持組織の解剖生理

支持組織の構造と機能

  • 細胞成分=血液やリンパのこと
  • 細胞間質=支持組織のうち,細胞成分以外の部分

支持組織は,細胞や器官を支えるものであり,細胞成分細胞間質からできている。

細胞成分は栄養面で組織を支えるが,血液とリンパに分けられる。

細胞間質は細胞や器官の重さを支える。

支持組織は再生能力が強く,傷ついても治る。

支持組織の構造と機能
さるじー博士
さるじー博士

血液など栄養面で身体を支えるものも支持組織なんじゃ。

細胞間質の種類

  • 基質(無定形質)=ムコ多糖や糖タンパク質のこと
  • ムコ多糖=ヒアルロン酸やコンドロイチンなどの多糖類
  • 糖タンパク質=糖が鎖のように連なってできたタンパク質
  • 結合組織=脂肪など組織や器官の間を埋めるもの
  • 軟骨組織=軟骨のこと
  • 骨組織=骨のこと

細胞間質は,基質の状態によって結合組織軟骨組織骨組織に分けられる。

細胞間質の種類
ラビ美
ラビ美

「採血困難」

って覚えるピョン!

筋組織の解剖生理

筋組織の構造と機能

  • 筋細胞=筋組織を構成する細胞
  • 骨格筋=腕や足などの身体を動かすもの
  • 心筋=心臓を動かすもの
  • 平滑筋=内蔵や血管を支えて動かすもの

筋組織は収縮する筋細胞でてきていて,身体を動かす機能がある。

筋組織は骨格筋心筋平滑筋の3種類に分けられる。

筋組織の構造と機能
ラビ美
ラビ美

「筋肉は平常心がコツ」

って覚えるピョン!

筋組織の性質

  • 随意筋=意識的に動かせる筋肉
  • 不随意筋=意識的に動かせない筋肉
  • 横紋筋=しま模様の筋肉の線維

骨格筋は随意筋であるのに対して,心筋や平滑筋は不随意筋である。

また,骨格筋と心筋は横紋筋であるのに対して,平滑筋は横紋筋ではない。

筋組織の性質
さるじー博士
さるじー博士

心臓や血管は寝ている間も動くから不随意筋なんじゃ。

神経組織の解剖生理

神経組織の構造と機能

  • ニューロン(神経細胞)=神経系の機能的な最小単位
  • グリア細胞(神経膠(こう)細胞)=神経組織を支える細胞

神経組織は,身体の情報を伝えるもので,ニューロングリア細胞からなる。

神経組織の構造と機能
さるじー博士
さるじー博士

グリア細胞は,ニューロンに栄養を運んだりするぞい。

ニューロンの構造と機能

  • 神経細胞体=電気信号の情報を発生させるもの
  • 樹状突起=他の細胞からの情報を神経細胞体へ伝えるもの
  • 軸索=他の細胞へ情報を送り出すもの
  • 神経終末=神経組織の末端

神経細胞体で発生させた電気信号の情報は,樹状突起を通して他の細胞へ伝わり,軸索を通って神経終末へと送られる。

神経終末は他のニューロンとつながっており,電気信号の情報を伝える。

ニューロンの構造と機能

神経伝達の仕組み

  • 脱分極=細胞内の電位が-から+へ傾くこと
  • 閾値=反応する最小限の刺激の量
  • 活動電位=刺激により発生する細胞内の電位
  • 伝導=電気信号が軸索に沿って移動すること
  • 伝達=他のニューロンへ電気信号の情報を伝えること

情報が届いたニューロンは脱分極し,閾値に達するとニューロン内に活動電位が発生する。

発生した活動電位は軸索を通して伝導し,他のニューロンへ伝達される。

神経伝達の仕組み
さるじー博士
さるじー博士

他の細胞へと「導く」から「伝導」,他の細胞に「到達」するから「伝達」というんじゃ。

伝導と伝達の仕組み

  • 髄鞘(ずいしょう)=軸索を覆う細胞
  • 絶縁性=電気を通さない性質
  • ランビエ絞輪=軸索にある一定間隔のくびれ
  • 跳躍伝導=活動電位が跳び跳びに伝わること
  • シナプス=神経終末と他のニューロンとの接続部分
  • 神経伝達物質=活動電位を伝達する物質

ヒトの軸索は髄鞘という絶縁性の細胞で覆われている。

髄鞘にはランビエ絞輪があり,活動電位はここを跳躍伝導していく。

シナプスでは,活動電位は神経伝達物質によって伝達される。

伝導と伝達の仕組み

神経伝達物質の種類

  • カテコールアミン=副腎から分泌される神経伝達物質の総称
  • 副腎=腎臓の上にある臓器
  • アドレナリン=交感神経を優位にする神経伝達物質の一種
  • ノルアドレナリン=交感神経を優位にする神経伝達物質の一種
  • ドパミン=感動や快感、意欲に関係する神経伝達物質の一種
  • アセチルコリン=副交感神経を優位にする神経伝達物質の一種
  • 自律神経=内蔵の働きなどをコントロールする機能
  • 交感神経=身体の活動を高める機能
  • 副交感神経=身体の活動を抑える機能

神経伝達物質には,カテコールアミンアセチルコリンなど多くの種類がある。

カテコールアミンにはアドレナリンノルアドレナリンドパミンがある。

それぞれの神経伝達物質には,以下のような作用がある。

神経伝達物質の種類
ラビ美
ラビ美

「アドレス交換に乗る子,どっかいって汗拭く」

って覚えるピョン!

おしまい

次の講義

科目一覧

まとめノートを買う

問い合わせる

問い合わせる