消化管の生理とは?消化と吸収の仕組みについて解説![看護師国家試験対策講座>人体の構造と機能>消化器系の解剖生理]

看護師国家試験

消化管の生理とは?消化と吸収の仕組みについて解説!

さるじー博士
さるじー博士

今回は、消化管の生理について解説するぞい。

消化管の運動

消化管運動の種類

  • 蠕動(ぜんどう)運動=筋肉が収縮して押し出す運動
  • 分節運動=くびれを作って食物を混ぜる運動
  • 振子運動=筋肉が収縮と弛緩を繰り返す運動

消化管は、蠕動運動分節運動振子運動により食物の移送や消化を行う。

消化管運動の種類
さるじー博士
さるじー博士

消化管運動は、食べ物と消化液を混ぜる役割もあるぞい。

口腔の運動

  • 咀嚼(そしゃく)=食物を細かくなるまでよくかむこと
  • 嚥下(えんげ)=口の中の食物を胃に飲み込むこと
  • ムチン=ねばねばの成分
  • アミラーゼ=でんぷんを分解して糖にする消化酵素

口腔に入った食物は、咀嚼された後に嚥下される。

嚥下のときは、喉頭蓋の閉口舌の挙上後鼻孔の閉鎖耳管咽頭口の開口が行われる。

唾液には、ムチンアミラーゼが含まれ、消化や嚥下を助ける。

口腔の運動
さるじー博士
さるじー博士

気管や鼻腔に食べ物が入らないように閉じるんじゃ。

また、食べ物が逆流しないように舌が上がって口を閉じるぞい。

食物の消化

消化の流れ

  • 消化=食物の栄養を吸収しやすいように分解すること
  • 消化酵素=食物の栄養を分解するもの

食物の消化は、主に消化液に含まれる消化酵素によって行われる。

消化の流れは下の図のようである。

消化の流れ
さるじー博士
さるじー博士

膵液と腸液は3つともの栄養素を消化できるぞい。

ラビ美
ラビ美

お米をかむと、唾液で糖質が分解されて甘く感じるピョン!

胃による消化

  • 胃小窩(いしょうか)=胃にあるくぼみ
  • 胃腺(いせん)=胃に存在する、様々な物質をだすもの
  • ペプシノーゲン=タンパク質の消化酵素のもとになる物質
  • ペプシン=タンパク質を分解する消化酵素

胃粘膜の表面には胃小窩があり、胃腺が存在する。

胃腺には噴門腺胃底腺幽門腺があり、下の図のような分泌細胞と分泌物がある。

塩酸の刺激により胃主細胞から分泌されたペプシノーゲンは、胃酸によりペプシンとなる。

胃液にはペプシンが含まれるが、主な役割は塩酸(pH1~2)による殺菌と食べ物を粥状にすることである。

胃による消化
さるじー博士
さるじー博士

消化器の解剖の講義で習った、胃の部位と合わせて覚えるんじゃ。

食物の吸収

糖質とタンパク質の吸収

  • 単糖類=それ以上簡単な糖に分けられない糖類
  • 門脈=腹部臓器から肝臓に入っていく静脈

糖質は唾液膵液腸液によって単糖類に分解される。

単糖類には、グルコースフルクトースガラクトースなどがある。

また、タンパク質は胃液膵液腸液によってアミノ酸に分解される。

その後、これらの栄養素は小腸から吸収され、門脈を通って肝臓へ運ばれる。

糖質とタンパク質の吸収
さるじー博士
さるじー博士

肝臓には、糖質やタンパク質の貯蔵庫の役割があるんじゃ。

脂質の吸収

  • 胆汁酸=肝臓で作られる胆汁の主成分
  • 乳化=乳のような、ねばりのある液になること

脂質はまず、膵液により脂肪酸に分解される。

分解された脂質は、胆汁酸によって十二指腸空腸乳化され、吸収される。

吸収された脂質は、小腸で脂肪小珠(カイロミクロン)となる。

その後、リンパ管である胸管を経由し、鎖骨下静脈から循環する。

脂質の吸収

各栄養素の吸収部位

各栄養素の吸収部位は下の図のとおり。

各栄養素の吸収部位

消化管ホルモン

消化管ホルモンの種類

消化管ホルモンは、消化管機能の調整を担っている。

代表的な消化管ホルモンは下の図の通り。

消化管ホルモンの種類

排便

排便のメカニズム

  • 進展=伸びて広がること
  • 弛緩=ゆるんで広がること
  • 怒責(どせき)=いきむこと

まず、便が直腸に到達すると、腸壁の進展内圧の上昇が起こる。

次に、この情報が大脳皮質に伝わることで、骨盤神経仙髄(せんずい:排便中枢とも言う)を通して反射的に内肛門括約筋弛緩させる。

そして、怒責により呼吸の停止腹圧の上昇外肛門括約筋の弛緩により排便が起こる。

排便のメカニズム
さるじー博士
さるじー博士

外肛門括約筋は、自分の意思で動かせるぞい。

おしまい

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