消化管の生理とは?消化と吸収の仕組みについて解説!
今回は、消化管の生理について解説するぞい。
消化管の運動
消化管運動の種類
- 蠕動(ぜんどう)運動=筋肉が収縮して押し出す運動
- 分節運動=くびれを作って食物を混ぜる運動
- 振子運動=筋肉が収縮と弛緩を繰り返す運動
消化管は、蠕動運動、分節運動、振子運動により食物の移送や消化を行う。
消化管運動は、食べ物と消化液を混ぜる役割もあるぞい。
口腔の運動
- 咀嚼(そしゃく)=食物を細かくなるまでよくかむこと
- 嚥下(えんげ)=口の中の食物を胃に飲み込むこと
- ムチン=ねばねばの成分
- アミラーゼ=でんぷんを分解して糖にする消化酵素
口腔に入った食物は、咀嚼された後に嚥下される。
嚥下のときは、喉頭蓋の閉口、舌の挙上、後鼻孔の閉鎖、耳管咽頭口の開口が行われる。
唾液には、ムチンやアミラーゼが含まれ、消化や嚥下を助ける。
気管や鼻腔に食べ物が入らないように閉じるんじゃ。
また、食べ物が逆流しないように舌が上がって口を閉じるぞい。
食物の消化
消化の流れ
- 消化=食物の栄養を吸収しやすいように分解すること
- 消化酵素=食物の栄養を分解するもの
食物の消化は、主に消化液に含まれる消化酵素によって行われる。
消化の流れは下の図のようである。
膵液と腸液は3つともの栄養素を消化できるぞい。
お米をかむと、唾液で糖質が分解されて甘く感じるピョン!
胃による消化
- 胃小窩(いしょうか)=胃にあるくぼみ
- 胃腺(いせん)=胃に存在する、様々な物質をだすもの
- ペプシノーゲン=タンパク質の消化酵素のもとになる物質
- ペプシン=タンパク質を分解する消化酵素
胃粘膜の表面には胃小窩があり、胃腺が存在する。
胃腺には噴門腺、胃底腺、幽門腺があり、下の図のような分泌細胞と分泌物がある。
塩酸の刺激により胃主細胞から分泌されたペプシノーゲンは、胃酸によりペプシンとなる。
胃液にはペプシンが含まれるが、主な役割は塩酸(pH1~2)による殺菌と食べ物を粥状にすることである。
消化器の解剖の講義で習った、胃の部位と合わせて覚えるんじゃ。
食物の吸収
糖質とタンパク質の吸収
- 単糖類=それ以上簡単な糖に分けられない糖類
- 門脈=腹部臓器から肝臓に入っていく静脈
糖質は唾液、膵液、腸液によって単糖類に分解される。
単糖類には、グルコース、フルクトース、ガラクトースなどがある。
また、タンパク質は胃液、膵液、腸液によってアミノ酸に分解される。
その後、これらの栄養素は小腸から吸収され、門脈を通って肝臓へ運ばれる。
肝臓には、糖質やタンパク質の貯蔵庫の役割があるんじゃ。
脂質の吸収
- 胆汁酸=肝臓で作られる胆汁の主成分
- 乳化=乳のような、ねばりのある液になること
脂質はまず、膵液により脂肪酸に分解される。
分解された脂質は、胆汁酸によって十二指腸や空腸で乳化され、吸収される。
吸収された脂質は、小腸で脂肪小珠(カイロミクロン)となる。
その後、リンパ管である胸管を経由し、鎖骨下静脈から循環する。
各栄養素の吸収部位
各栄養素の吸収部位は下の図のとおり。
消化管ホルモン
消化管ホルモンの種類
消化管ホルモンは、消化管機能の調整を担っている。
代表的な消化管ホルモンは下の図の通り。
排便
排便のメカニズム
- 進展=伸びて広がること
- 弛緩=ゆるんで広がること
- 怒責(どせき)=いきむこと
まず、便が直腸に到達すると、腸壁の進展と内圧の上昇が起こる。
次に、この情報が大脳皮質に伝わることで、骨盤神経や仙髄(せんずい:排便中枢とも言う)を通して反射的に内肛門括約筋を弛緩させる。
そして、怒責により呼吸の停止や腹圧の上昇、外肛門括約筋の弛緩により排便が起こる。
外肛門括約筋は、自分の意思で動かせるぞい。