資産と負債を把握しよう。
この講座は、税理士である管理人が家計簿の付け方について解説する講義です。
この講座の講義一覧については、こちらから確認して下さい。
また、具体的な家計簿アプリの使い方については、マネーフォワードMEの使い方講座を確認して下さい。
家計簿において、資産や負債はどのように把握したら良いのでしょうか。
今回の講義では、そんな資産や負債の把握の仕方について詳しく解説していきます。
資産や負債とは?
資産や負債の意味
資産や負債とは、どのような意味でしょうか。
僕たちは、生活の中でよく「資産」や「負債」といった言葉を使います。
しかし、実は資産や負債には様々な意味の捉え方があります。
経済学や会計学の専門家の方々でも、資産や負債の定義について意見が割れているほどです。
そこで、この講義では、家計簿を付けるときに都合のいい資産や負債の捉え方を解説します。
資産って何?
まず、家計簿を付ける上で都合のいい資産の意味について解説します。
この講義における資産とは、
お金や換金できるもののうち金額が分かるもの
と捉えます。
具体的には、
- 現金・預金
- 株式
- 投資信託
- 商品券やクオカード
- 年金
などが挙げられます。
株式や投資信託は、売却することで換金でき、その金額が分かるため資産に該当します。
商品券などは、お金と同じように使え、金額も明らかなので資産に該当します。
年金は、掛金を支払えば将来お金を受け取ることができ、掛金の額も分かるため資産に該当します。
一方、この講義で資産に該当しないものには、次のようなものがあります。
- ポイント
- 家
- 車
ほとんどのポイントは換金できないため、この講義における資産には該当しません。
また、家や車は売却することでお金に変えられるものもありますが、その金額が分かりにくいです。
毎月、家や車を見積もりに出して金額を把握するわけにはいきませんよね。
なので、家計簿を付ける上では、これらは資産に含めないこととします。
負債って何?
次に、家計簿を付ける上で都合のいい負債の意味について解説します。
この講義における負債とは、
将来支払うお金のうち金額が分かるもの
と捉えます。
具体的には、
- クレジットカードの引き落とされていない利用額
- 住宅ローンの残額
などが挙げられます。
これらは、将来お金を支払わなくてはいけないもので、金額もはっきりしています。
一方、次のものは負債には該当しません。
- 会うたびに支払っている、甥っ子へのおこづかい
- 近々行く結婚式のご祝儀
甥っ子へのおこづかいは、支払わなくてはいけないものではなく、金額もその日の気分などによって変わってくるかもしれません。
結婚式のご祝儀も、急遽不参加になってしまった場合などには支払う必要がなくなるし、金額もはっきりしないです。
なので、家計簿を付ける上では、これらは負債に含めないこととします。
なお、これらは支払ったときに支出として交際費を認識します。
細かいものは家計簿に記録しなくていい。
ここでは、家計簿を付ける上で必要な資産や負債の意味について解説しました。
この講義における資産とは、
お金や換金できるもののうち金額が分かるもの
と捉えます。
また、この講義における負債とは、
将来支払うお金のうち金額が分かるもの
と捉えます。
ここで、家計簿を付ける上で資産や負債を把握するときの大事なコツについてお伝えします。
そのコツとは、
細かい資産や負債まで記録する必要はない
ということです。
例えば、あなたの資産には、次のようなものがあったとします。
- 長財布の現金…18,459円
- 二つ折り財布の現金…1,475円
- 三菱UFJの預金…3,497,643円
- 三井住友銀行の預金…428円
このとき、家計簿に記録すべき資産は、
三菱UFJの預金のみ
です。
その他の資産については、あればなお良いですが、無理して記録する必要はありません。
家計簿は、厳密に把握することよりも、
楽に長く続けること
がなにより大事です。
もちろん、金額の小さい全ての資産も細かく把握できればベストです。
しかし、記録するのが面倒になって、家計簿を付けなくなってしまっては意味がないのです。
目標達成のカギは資産と負債の把握
資産や負債把握のポイント
資産や負債を把握するためのポイントは次のとおりです。
- 引落口座残高の確認
- 金融資産の割合チェック
- 貯蓄目標の進捗確認
以下では、これらについて詳しく解説していきます。
引落口座残高の確認
資産や負債を把握するためのポイントの1つ目は、
引落口座残高の確認
です。
クレジットカードの利用額や住宅ローンなどは、登録してある口座から自動で引き落とされることが多いです。
この場合、引落額が口座残高より大きい場合には、引落不能となってしまいます。
クレジットカード利用額の引落のときに、口座残高が足りずに支払えなかった経験がある方も多いのではないでしょうか。
資産や負債を把握する場合には、このようなことがないように予めチェックする習慣を付けることをオススメします。
金融資産の割合チェック
資産や負債を把握するためのポイントの2つ目は、
金融資産の割合チェック
です。
資産運用を行う場合、自分の資産のうちどれぐらいを金融資産に振り分けるのかを決める事が多いです。
例えば、
自分の資産の6割を投資信託で運用しよう
といった具合にです。
しかし、運用していく間に運用損益が発生したり、現金預金が増減したりして、そのバランスが崩れる場合があります。
先程の例では、
投資信託の割合が7割になっていた場合
などです。
これを、その都度修正するために資産や負債を把握しておく必要があるのです。
貯蓄目標の進捗確認
資産や負債を把握するためのポイントの3つ目は、
貯蓄目標の進捗確認
です。
いくら毎月の収支をしっかり管理してしても、貯蓄が計画通りにできていなければ、家計管理ができているとは言えません。
そこで、定期的に資産や負債の金額をチェックすることで、貯蓄がきちんとできているのかを確認することができます。
なお、この進捗確認は、
当初の貯蓄目標が達成できていなければ絶対ダメだ
ということを言っているわけではないことに注意してください。
貯蓄目標が順調に進んでいない原因は、支出が多すぎるからという理由以外にも、
もともと無茶な目標だったから
という理由もあり得るからです。
もともと無茶な目標だった場合には、気づいたときに修正して、新たな貯蓄目標を立て直せばいいのです。
そのためにも、資産や負債をチェックすることは重要です。
慣れれば自然と頭に入る。
ここでは、資産や負債把握のポイントとして、
- 引落口座残高の確認
- 金融資産の割合チェック
- 貯蓄目標の進捗確認
の3つを解説しました。
本格的な家計管理を始めたばかりのときは、なかなかどのように資産や負債の把握を行ったらいいのか分からないかもしれません。
しかし、毎月行っていくうちに慣れてきて、自分の資産や負債の状況が何も見なくてもだいたい把握できるようになります。
こうなれば、資産や負債の把握は完璧と言っていいでしょう。
ぜひ、皆さんも家計の資産や負債の把握を行ってみましょう。
まとめ
今回は、資産や負債の把握の仕方について解説しました。
この講義における資産とは、
お金や換金できるもののうち金額が分かるもの
と捉えます。
また、この講義における負債とは、
将来支払うお金のうち金額が分かるもの
と捉えます。
そして、資産や負債把握のポイントとして、
- 引落口座残高の確認
- 金融資産の割合チェック
- 貯蓄目標の進捗確認
の3つを解説しました。
ぜひ、皆さんも家計の資産や負債の把握を行ってみましょう。
おしまい
次の講義
準備中…