家計管理の結果を振り返ろう。
この講座は、税理士である管理人が家計簿の付け方について解説する講義です。
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また、具体的な家計簿アプリの使い方については、マネーフォワードMEの使い方講座を確認して下さい。
家計管理の結果はどのように振り返ればよいのでしょうか。
せっかく、一生懸命家計管理を行って記録を残していても、その振り返りを正しく行わなければ、正しい家計管理をすることはできません。
僕は、家計管理の振り返りは、家計管理の答え合わせだと思っています。
今まで頑張って行ってきた家計管理の成果が、この振り返りによって明らかになるからです。
一方で、今までの家計管理でダメだった部分も同時に明らかになります。
今回は、そんな家計管理の振り返りの方法を解説していきます。
何に、いくら使ったのかを把握しよう。
結果の振り返りの5ステップ
家計管理の結果を振り返る場合には、次の5ステップで行います。
- 予算達成状況の確認
- 前月収支の確認
- 収支推移の確認
- 資産・負債金額の確認
- 資産・負債推移の確認
以下では、この5ステップについて、それぞれ詳しく解説していきます。
予算達成状況の確認
結果の振り返りの5ステップの1つ目は、
予算達成状況の確認
です。
予算とは、
計画を立てた費用
のことで、毎月初めにその月分の各科目の予算を立てます。
その月が終わったら、まず、立てた予算と実際に使用した金額とを比較します。
ここで大事なことは、
予算は超過したら絶対ダメなわけではない
ということです。
せっかく立てた予算が足りずに超過してしまうと、そこを絶対改善しないといけないと感じてしまうかもしれません。
しかし、予算が超過する場合には、
- 貯蓄予定額がそもそも多すぎた。
- たまたま通院して医療費がかさんだ。
- 支払うはずだったプレゼント代を予算に加味し忘れてしまった。
など、どうしようもなかったものも含まれます。
予算達成状況の確認で重要なのは、
予算が超過した理由を明らかにすること
です。
なぜ予算が超過したのかを理解することで、
- 貯蓄計画を見直すべきなのか。
- 支出を減らすべきなのか。
- 予算の配分を変更する必要があるのか。
といったことを検討できるようになるからです。
前月収支の確認
結果の振り返りの5ステップの2つ目は、
前月収支の確認
です。
具体的には、
- 収入が給与明細通りに正しく入金されているか。
- 見に覚えのない支出がないか。
- ムダな支出がなかったか。
などをしっかり検討します。
前月収支の確認で重要なことは、
支出の特徴を把握すること
です。
例えば、
- 衣服・美容にかかる支出が大きい。
- 外食が多くて食費がかさんでいる。
など、他の一般的な家庭と比較して、
我が家の家計はどんな支出の特徴があるのか
を把握することで、今後の家計改善へと繋げられます。
収支推移の確認
結果の振り返りの5ステップの3つ目は、
収支推移の確認
です。
ステップ2では、前月のみの収支を確認しました。
一方、このステップでは、
各科目ごとの過去の支出額の動き
を確認します。
つまり、
- 最近、水道光熱費が増えてきたな。
- 最近、外食費が減ってきたな。
など、科目毎に過去からの増減を確認するのです。
収支推移の確認では、ただ科目の推移を確認するだけでなく、
収支の増減の理由を明らかにすること
が大事です。
例えば、
- 在宅勤務になって家にいる時間が増えたことで、水道光熱費が増えた。
- ダイエットを始めて飲み会を断ったら外食費が減った。
などです。
これは、何をしたらどんな影響が出るのかを把握することで、家計改善をするときの参考になります。
資産・負債金額の確認
結果の振り返りの5ステップの4つ目は、
資産・負債金額の確認
です。
このステップでは、
- 全資産のうち、株式や投資信託の割合はどれくらいか。
- カード引き落とし口座にお金はちゃんとはいっているか。
などを確認します。
また、以前「貯金と貯蓄の違いを知ろう。」の講義でお伝えしましたが、
資産はできるだけ現金以外で持つことがオススメ
です。
資産は投資信託などでしっかり運用することで、リスクを抑えつつ資産を増やしていくことができます。
資産・負債推移の確認
結果の振り返りの5ステップの最後は、
資産・負債推移の確認
です。
ステップ4では、今現在の資産・負債の残高を確認しました。
一方、このステップでは、
資産・負債内訳の過去からの推移
を確認します。
つまり、
- 資産が順調に増えているな。
- 現金や預金の比率が減ってきたな。
- 株式の比率が増えてきたな。
- 債券の比率が減ってきたな。
など、資産全体やその内訳の比率を確認するのです。
資産・負債推移の確認は、
意識して確認する習慣
をつけないと、なかなかみる機会がないかもしれません。
この資産・負債の推移を確認することは、とても大事なことなので、忘れないようにしましょう。
収支以外も確認が必要
ここでは、家計管理の振り返りの5ステップとして、
- 予算達成状況の確認
- 前月収支の確認
- 収支推移の確認
- 資産・負債金額の確認
- 資産・負債推移の確認
を解説しました。
ただ前月の収支だけを確認するといった方法では、
貯蓄がちゃんと資産の増加に結びついているのか?
などが確認できず、正しい家計管理が行われているとはいえません。
これらのステップに沿って全体や内訳などをしっかり確認することで、正しく家計管理の結果を把握することができます。
ぜひ家計管理の5ステップに従って、家計の振り返りを行ってみましょう。
なぜ結果を振り返る必要があるの?
結果を振り返る理由
家計管理の結果を振り返る理由は、次の4つがあります。
- 今後の予算の参考にするため。
- 家計改善の参考にするため。
- 資産運用の参考にするため。
- 貯蓄計画の進捗を確認するため。
以下では、これらについて解説していきます。
今後の予算の参考にするため。
家計管理の結果を振り返る理由の1つ目は、
今後の予算の参考にするため
です。
今月の予算を立てるときには、
自分が何にどれくらいのお金を使う予定か
をざっくりにでも把握しておく必要があります。
この場合、
過去の収支から毎月かかるお金の目安を計算
した上で、
今月の特別な事情を考慮して予算を調整
するという手順で行います。
この毎月かかるお金の目安を計算する際に、家計管理の振り返りが生きてくるのです。
家計改善の参考にするため。
家計管理の結果を振り返る理由の2つ目は、
家計改善の参考にするため
です。
過去の家計管理の結果を振り返ることで、今の家計の問題点が洗い出されます。
例えば、
- 先月は支出が多くて貯蓄額が1万円足りなかった。
- 最近、飲み会が多くて交際費が増えてきた。
などです。
これらの問題点を洗い出し、変えていくことで、家計改善が行えます。
資産運用の参考にするため。
家計管理の結果を振り返る理由の3つ目は、
資産運用の参考にするため
です。
資産運用では、自分の家計の資産のうち、
- どれくらいの現金や預金を残す。
- どれくらいの株式を持つ。
- どれくらいを投資信託に回す。
といったように、全体の資産に占める割合で管理することが多いです。
そのため、今の自分の資産や負債のがどのように運用されているのかがはっきりしなければ、資産運用を正しく行うことができません。
このことから、家計管理の結果を定期的に振り返って、資産や負債の内訳を把握しておく必要があります。
貯蓄計画の進捗を確認するため。
家計管理の結果を振り返る理由の4つ目は、
貯蓄計画の進捗を確認するため
です。
1度立てた貯蓄計画が、必ずそのとおり実現できるかどうかは分かりません。
もしかしたら、当初思っていたようには貯蓄できず、計画を変更しなければいけなくなることも十分に考えられます。
そのため、貯蓄計画を立てた後には、家計がその貯蓄計画に沿ってきちんと行われているのかを定期的に確認する必要があります。
家計管理の結果を振り返ることで、収支の推移を明らかにして、貯蓄計画の進捗を確認することができます。
家計改善の参考のためだけではない。
ここでは、家計管理の振り返りをする理由として、
- 今後の予算の参考にするため。
- 家計改善の参考にするため。
- 資産運用の参考にするため。
- 貯蓄計画の進捗を確認するため。
の4つを解説しました。
家計管理で悩んでいる方々のお話を伺うと、
結果の振り返りは家計改善の参考のためだけのもの
というように捉えていることが多いです。
しかし、ここで説明したように、家計管理の振り返りには他にも重要な役割があります。
これを読まれた皆さんは、ぜひ家計管理の振り返りを正しく行いましょう。
まとめ
今回の講義では、家計管理の結果をどのように振り返るのかについて解説しました。
家計管理の結果を振り返る場合には、次の5ステップで行います。
- 予算達成状況の確認
- 前月収支の確認
- 収支推移の確認
- 資産・負債金額の確認
- 資産・負債推移の確認
また、家計管理の結果を振り返る理由は、次の4つがあることを解説しました。
- 今後の予算の参考にするため。
- 家計改善の参考にするため。
- 資産運用の参考にするため。
- 貯蓄計画の進捗を確認するため。
ぜひ、これを基に家計管理の結果の振り返りを行ってみて下さい。